【作業事例】Alvarez Yairi AY-65 サイドサウンドポート増設

Alvarez Yairi AY-65

日本を代表するアコースティックギターブランドK.Yairiの海外輸出用ブランドAlvarez Yairi。
ポール・マッカトニーやエリック・クラプトン、トム・ヨーク等の多くの世界的なスター達に愛されているブランドです。
海外輸出用ブランドなのですが逆輸入で日本で販売されることもあり、その中でMr.Childrenの桜井和寿さんが使用されていたことでも有名なAY-65です。

今回はサウンドポート増設のご依頼を頂きました。
サウンドポートとはボディトップのサウンドホールから正面にしか出ていない音を演奏者側にも出すための穴のことです。
これにより演奏者が出音をモニターしやすくなり、気持ちよく演奏できるようになります。
今までは工房規模の個人製作者の製造するモデルなどで見受けられることがありましたが、最近Gibsonからもサウンドポート付きのモデルが発表されて注目の集まっている仕様です。
(Gibsonではプレイヤー・ポートと呼んでいます)

ボディサイド

穴を開けるのは6弦側のショルダー付近、演奏者の耳に一番近い部分になります。

位置決め

実際にギターを構えてみて、穴を開ける位置を決めていきます。
穴の大きさや形状は自由ですが、大きすぎたり、角のある形状は強度が著しく落ちてサイドの割れにつながるため今回は一般的な楕円形で開けることになりました。

穴あけ

周辺をしっかりとマスキングして穴を開けました。
ボディ内部のブレイシングが見えています。

仕上げ

マスキングを外して断面をなめらかに仕上げていきます。

内側

ボディ内部から見るとこんな感じです。
AY-65はサイドがメイプルのため割れにくいので今回は補強は入れていません。
ギターを構えていればちょうど演奏者の顔が見えると思います。

完成

断面をバインディングに合わせて黒く塗装して完成です。

肝心の出音はと言うと、ギターを抱えている腕の中、自分の懐からしっかりとボディの鳴っている音が聞こえて非常に弾きやすいです。
イメージで言うとヘッドフォンでギターの音を聞いているような不思議な感覚です。
アンプを通しているわけでは無いのでそんなに演奏中に聞こえる音量が大きくなるわけでは無いのですが、音色のバランスが正面に出ている音に近くなりモニターしやすくなる感じです。
弾き語りをプレイされる方なんかは、伴奏が聞きやすくなるので歌いやすさが上がると思います。

正面に出ている音はサイドからも出る分、厳密には小さくなっているはずですが、気になるほどではないと思います。
音色もスカスカになったりはしません。

ギターを演奏していて楽しいという気持ちを増幅させる改造だと思います。
サウンドポート増設は税込み9,900円~で承っております。
お気軽にご相談下さい。

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