新品のギターは、キラキラと輝き、とても美しい物です。
しかし、楽器として使用するうちには、どうしても傷がついたり、塗装が欠けてしまったりすることがあります。
もちろん、「傷も楽器としての味」としてあまり気にしない方もいらっしゃいますが、
自分の不注意でついてしまった傷はなぜか目に入るたびに気になってしまい、「この傷さえなければ完璧なのに……」というコンプレックスに感じてしまうこともあります。
今回は、そんな“気になる傷”の修正作業の一例をご紹介します。
修理事例:Gibson Les Paul ヘッドトップの引っかき傷

今回ご依頼いただいたのは、Gibson Les Paul(ギブソン レスポール)のヘッドトップ(ヘッド表面)にできた引っかき傷の修理です。
傷の原因は、弦交換時に余った弦の先端がヘッドに接触してしまったことと考えられます。
このギターには他にも細かな傷がいくつか見られましたが、
「もっと短く弦を切っておけば……」というような、
後悔が残る傷ほど気になってしまうものです。
傷の広さ、深さ、塗装の色によって最適な修理方法は異なりますが、今回は「部分的なタッチアップ」で修正を行いました。
部分的なタッチアップとは?
タッチアップとは、傷ついた箇所だけに色とクリアを丁寧に重ねるポイント修理です。
ヘッド全体の再塗装に比べて、
- 修理費用を抑えられる
- 作業期間が短く済む
- オリジナルの雰囲気を維持できる
といったメリットがあります。

修理完了後は傷がほとんど目立たない状態になり、ギター全体の雰囲気も損なわれていません。
もちろんヘッドトップ面全体を塗装したほうが仕上がりはさらに美しくなりますが、その分、費用も作業期間も数倍かかってしまします。
傷の状態によっては、今回のように部分的なタッチアップだけでも十分きれいに仕上がる場合があります。
もし「この傷さえなければ……」と感じている方がいらっしゃいましたら、
まずはお気軽にご相談ください。
楽器としての魅力を保ちながら、できるだけ自然な形で修正する方法をご提案いたします。