【作業事例】FURCH ナット調整

FURCH(フォルヒ)のアコースティックギターベーシックメンテナンスのご依頼。
数年ほど弾かれていないとのことで全体的に点検をして欲しいとのご依頼でした。

FURCH ナット調整1

弦を張った状態でのチェックでは全体的に状態は良く、とりあえずネックの順反りを軽く修正する程度でした。

次に弦を外して全体的にクリーニングをしながら細かい箇所をチェックしていきます。

FURCH ナット調整2

TUSQ等の樹脂系のナット材によくある症状なのですが、ナット溝に巻弦の形に凹みが出来ています。
凹みがあれば当然、弦はそこに収まろうとするため、チューニングが合い辛くなってしまいます。

FURCH ナット調整3

些細なことではありますが、こういう細かい部分の修正の積み重ねで演奏時のストレスを減らしていくことでどんどん演奏することが楽しくなります。

お客様は気にしていなくとも、そういった細かい修正を繰り返して「なんか弾きやすくなったような気がする」という状態に持っていくのもリペアマンの重要な役割の一つです。

ナットの高さは丁度よいので、高さを変えないように気をつけながら弦の幅に合わせた専用のヤスリで凹みを修正していきます。

FURCHナット交換4

ナットは手作業で0.1mm単位での調整が必要なため「ナットを見ればそのリペアマンの腕前がわかる」と言われています。
ナットの幅、高さ、形状、溝の間隔、深さ、幅、横方向の角度、縦方向の角度、これら全てが演奏性にも音にも大きな影響を与える重要なポイントです。
楽器の仕様や状態、演奏スタイルに合わせて慎重に調整していきます。

FURCHナット調整5

溝がキレイになったら仕上げに潤滑剤を塗っておきます。

ナット調整6

FROGSではFreedom Custom Guitar ResearchさんのシリコンオイルSP-P-09を採用しています。
マニキュアの用にキャップに刷毛が付いているため、細かい部分にも塗りやすく効果もバツグンです。

FURCHナット調整7

弦を張って、最終チェックをして作業完了です。
これから再び弾き込まれて、またメンテナンスに戻ってきたら嬉しいですね。

FURCHナット調整8

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