ギターやベースのフレット交換、指板修正といった作業では、
『フレット溝の整形』という見えにくい工程が仕上がりを大きく左右します。
今回は、リペア現場で行っているフレット溝整形作業と、
そのために使用する専用工具について解説します。
フレット溝の整形作業とは?修理で必要になる理由
フレット溝の整形とは、
フレットを正しく打ち込むために溝の幅や深さを調整する作業です。
フレット交換や指板修正では、
・元のフレットサイズと交換後のサイズが異なる
・指板修正によって溝の深さが変わる
・経年変化で溝の状態が不均一になっている
といったケースが多く、
既存の溝をそのまま使うことができない場合があります。
この工程の精度が低いと、
フレットの浮き、密着不良、ビビり、音程感の不安定さにつながります。
製作時と修理時で異なるフレット溝切りの考え方
ギター製作時であれば、
指板が板材の状態で、NCルーターや丸ノコ盤を使い、
設定した幅と深さで一気にフレット溝を切ることが可能です。
しかし、リペアの現場では同じ方法は使えません。
指板はすでにRが付けられ、ネック材と一体になった状態です。
さらに、モデルによっては溝の両端がバインディングで塞がれていることもあります。
このような条件下では、
完成したネックに対して、必要な部分だけを正確に調整する必要があります。
リペアで使用するフレット溝切り用工具

リペアでは、
フレットサイズに合わせてミニサイズのノコギリを使い、
溝の幅や深さを一本ずつ調整していきます。
フレット溝切り用の市販工具もありますが、
元の溝サイズ、調整後に必要な寸法、指板の状態によって、
必要なノコギリの幅・長さ・形状は変わります。
そのため、市販品だけでは対応できないケースも多く、
用途に合わせて工具を自作・加工して使用することもあります。
見えない工程が弾き心地と精度を左右する
フレット溝の整形は、完成後に見える部分ではありません。
しかし、この工程の精度が、
・フレットの密着性
・音程感の安定
・弦高調整のしやすさ
・演奏時のストレスの少なさ
といった要素に直結します。
フレット交換や指板修正の仕上がりは、
こうした見えない下準備の積み重ねで決まります。
フレット交換・指板修正のご相談はこちら
フレット交換や指板修正は、
楽器の状態や仕様によって最適な作業内容が変わります。
「交換が必要か分からない」
「指板修正まで必要か判断してほしい」
といった段階でも問題ありません。
まずはお気軽にご相談ください。
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