【作業事例】Naupaka Na-FG38-01 ベーシックセットアップ

Naupaka Na-FG38-01を弾きやすく調整して欲しいということでご依頼を頂きました。

Naupaka Na-FG38-01

Naupaka Na-FG38-01は14,000円ほどの価格で販売されている、いわゆる入門モデルに当たるアコースティックギターです。
驚異的な低価格で、初心者が新しくギターを始めるのには財布に優しいギターですが、演奏性という部分でいうと初心者に優しい状態ではありませんでした。

ネックが順反り、ナット、サドルともに高く、弦高が3mmを超えている状態でした。

私もメーカーで勤務していた頃には検品業務を経験したことがありますが、低価格帯のギターは利益が少ないため、数をこなさなければなりません。
一日に数十本と検品をするため、1本のギターには5分も時間をかけれないことがザラにあります。
5分となると、せいぜい傷などの外観チェックと音づまりが無いかのチェックくらいしかできません。
音づまりがあればネックを順反りに調整して弦高を上げて作業完了。
価格帯を考えれば仕方のないことなのですが、演奏を楽しむには難しい仕上がりにしかなりません。

初心者こそしっかりと調整された楽器でなければ演奏するのが難しくなり、挫折しやすくなります。
調整が施されたギターは弦がおさえやすくなり、指が痛くなりにくく、疲れにくいので練習するのが楽になります。
状態の悪いギターでは音程も狂うため、楽譜通りに演奏してるのに気持ち悪い音になり、耳が狂う原因にもなります。
まずは楽器をしっかりと調整してから練習を始めるのがオススメです。

低価格帯のギターではネックが弱く、ロッドを締め切っても順反りを修正できないことが多いのですが、今回の個体はロッドがしっかりと効いてネックを調整する事が出来ました。

次にナット溝を深くして、ローポジションの弦高を下げます。
ローポジションの弦高が低くなれば、初心者がつまづきがちなFのコードもおさえやすくなります。

サドルを調整して全体の弦高を下げるのと音程を調整します。
ここまでやれば演奏性と音程感は調整前とは明らかに変わったと感じられると思います。

作業完了

以前であれば楽器店で購入したら、店員さんがその場で調整してくれましたが、最近では通販で楽器を買われる方も多いと思います。
海外の工場でギターを弾いたことがない人が作ったものがそのままの状態でお手元に届くなんてことも有りえると思います。
買ったばかりでも弾きにくいと感じればお気軽にご相談ください。

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