今回は『Rickenbacker 4003』のノイズ対策・シールド処理の作業事例をご紹介いたします。
リッケンバッカー特有の立ち上がりの鋭いサウンドやルックスは非常に魅力的な一方で、シングルコイル構造やキャビティ内の構造上、アンプのゲインを上げた際や周辺の電磁波環境によってノイズが乗りやすいというご相談をよくいただきます。
今回も「ライブやレコーディングでノイズが気になる」というご相談を受け、徹底的なノイズ対策を実施いたしました。
1. キャビティの導電塗装処理
まずはコントロールキャビティおよびピックアップキャビティ内の処理です。
【導電塗装前】
木地および木部塗装がそのまま露出している状態です。この状態では外部からのノイズ(電磁波)の影響を直接受けてしまいます。

【導電塗装中】
マスキングを施し、導電塗料を密着させるための下処理を行なった上で、隙間なく均一に塗布していきます。角部分や入り組んだ形状の部分も塗膜の薄れやムラが出ないよう慎重に塗り重ねます。

【導電塗装後】
しっかり乾燥させた後、グラウンド(アース)ポイントへ確実に落ちているかをテスターで導通チェックします。しっかりとグラウンドに落とすことで、キャビティ全体がノイズを遮断する「シールド空間」となります。

2. ピックガード裏面のアルミシールディング
続いて、広大な面積を持つアクリル製ピックガード裏面の処理です。
【アルミシールディング処理前/処理後
施工前(写真左)はアクリル板そのままの状態ですが、施工後(写真右)は隙間なく強度の高いアルミシートを貼り込み、端部の処理を行なっています。

このアルミ面が、先ほどのキャビティ側の導電塗料と接触(アース接続)することで、コントロール類や配線全体がすっぽりと金属シールドで囲まれる構造になります。
3. 組み込みとサウンドチェック
全てのシールド処理を終えた後、配線を元通りに組み込み、ノイズチェックを行ないました。
ハイゲイン環境や蛍光灯の近くでも「ジー」という不快なハムノイズが劇的に低減。さらに、ノイズが減ったことで音が前にくっきりと出てくる感覚が得られます。
お客様からも後日、嬉しいご感想をいただきました。
『ノイズもなくなり音もハリがあってとても良い感じです。』
ノイズ対策を行なうと「高域が削れて音が丸くなるのでは?」と心配される方もいらっしゃいますが、適切なアース処理と資材選定を行なうことで、楽器本来の立ち上がりの良さやハリ感を損なうことなく、クリアなサウンドへとブラッシュアップすることが可能です。
Rickenbackerをはじめ、シングルコイル機のノイズにお悩みの方はお気軽にご相談ください。

