【作業事例】1970年代製 Fender JAZZBASS ネックリフィニッシュ・フレット交換・BADASS II ブリッジ交換

今回は1970年代製 Fender JAZZBASS のネックリフィニッシュ、フレット交換、および BADASS BASS II ブリッジへの交換作業 をご紹介します。

長年の使用や経年変化により、塗膜と木部の密着が弱まり、塗装がパリパリと自然に剥がれてしまう状態になっていました。演奏時のストレスを解消し、今後も長く安心してお使いいただけるよう、フレット交換およびブリッジ交換のタイミングに合わせてネック全体のリフレッシュを行いました。

施工前の状態(Before)

お預かりした段階では、指板面やネック裏の塗装が大きく剥がれ落ち、下地から塗膜が浮いてしまっている箇所が多く見られました。

  • 『指板面・ネック裏の塗膜剥がれ』:経年劣化により、広範囲にわたって塗膜が浮き、パリパリと剥がれ落ちる状態でした。
  • 『ヘッドトップ面』:一方で、ヘッドトップ面は奇跡的に塗装の剥がれが少なく、当時のオリジナルロゴやデカールも綺麗な状態で保持されていました。
  • 『ハードウェア類』:足回りのセッティング見直し・音質向上(サステインやアタック感の強化)のため、定評のある「BADASS BASS II」への装換も合わせてご依頼いただきました。

オリジナルヴィンテージとしての雰囲気を残しつつ、プレイアビリティとサウンド面を現代の現場向けにアップデートする方針で作業を進めました。

作業工程

1. 塗膜剥離と下地処理

既存のフレットを慎重に抜き取り、浮いてしまった不要な塗膜を綺麗に除去していきます。ヘッドトップ面以外のネック裏・指板面を丁寧に木地まで削り出し、指板のアールを整えつつ下地を滑らかに仕上げます。

2. ヘッドトップ面の処理

ロゴが残るヘッドトップ面は塗装剥がしを行わず、そのままの状態で表面の汚れをクリーニング。段差や境目を自然に馴染ませながら、上からクリア塗装を重ねて保護するオーバーコート(上塗り)処理を施しました。

3. フレット打ち替え&塗装仕上げ

新しいフレットを打ち込み、指板面およびネック裏全域に塗膜を再形成。70年代らしい飴色のニュアンスと艶感を再現しつつ、耐久性のあるクリア仕上げを行いました。フレットエンドのバリ処理や擦り合わせを丁寧に行い、指板とフレットの一体感を極限まで高めています。

4. BADASS BASS II ブリッジ取り付け・セットアップ

ヴィンテージのプレイスタイルや音質特性に配慮しつつ、BADASS BASS II ブリッジを取り付け。サドルの溝切り加工を行い、弦高・オクターブチューニング・弦間ピッチを精密にセットアップしました。

施工後の状態(After)

ネックのリフィニッシュ、フレット打ち替え、そしてブリッジ交換が完了した状態です。

  • 『指板面・ネック裏』:パリパリと剥がれていた不安定な塗膜が一新され、滑らかで美しい仕上がりに。握り心地・演奏性が飛躍的に向上しました。
  • 『ヘッドトップ』:貴重なオリジナルロゴをそのまま残しつつ、上塗りしたクリア塗膜によって今後の剥がれやダメージを防ぐ保護性能を獲得しました。
  • 『フレット周り』:新品のフレットに打ち替えたことで音詰まりやビビリが解消され、クリアで高いサステインを取り戻しました。
  • 『ブリッジ(BADASS BASS II)』:重量のあるBADASSブリッジへ交換したことで、低音域の芯が太くなり、サステインとアタック感が大幅に向上。70年代ジャズベース特有のパンチのあるトーンがより一層引き立つ仕上がりとなりました。

ヴィンテージ品が持つ歴史の風合いを尊重しつつ、現代のライブやレコーディング現場で即戦力としてガンガン弾き込めるコンディションへと蘇りました。

ヴィンテージギター・ベースのリペアにおいて、「どこまでオリジナルを残し、どこから手を加えるか」の判断は非常に重要です。

今回のように『ヘッドのロゴ面を残しつつネックを再塗装する』『あわせて信頼性の高いBADASSブリッジにセットアップする』という手法は、オリジナルの見た目の雰囲気を損なわずに、プレイアビリティとサウンドの芯を強力に補強する非常に有効なアプローチとなります。

愛機の塗装の剥がれや、足回りのセッティング・パーツ交換でお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。楽器の状態やお客様のご要望に合わせた最適な施工プランをご提案いたします。

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